インド古典舞踊サークル

インド・ニューデリーとグルガオンで活動している、バラタナティヤムとカタックのサークルです。

なるほどバラタ 第1回: バラタナティアムの歴史


バラタナティアム(Bharatanatyam)は、インドの代表的な古典舞踊のひとつで、
2000年以上前にインド南部のタミール・ナドゥ州で発祥した、神に捧げる舞です。
神に奉納する舞踊であったために、寺院の中でのみ踊られ、
踊り手である”デーヴァダーシー(神の召使)”と呼ばれる、
巫女によって伝承されてきました。


その後、19世紀の英国統治時代において、数多くのインド古来の伝統が破壊され、
バラタナティアムも消滅の危機にさらされました。
やがて20世紀初頭、伝統文化復興の動きに伴って、
バラタナティアムは舞台芸術として
タミール・ナドゥ州都チェンナイ(旧マドラス)で新たな一歩を踏み出したのです。
現在では、インドを代表する舞踊として広く知られています。


バラタナティアムの語源には諸説がありますが、

「Bha−Bhava 感情」

「ra−Raga メロディー」

「ta−Tala リズム」

を表わし、さらに
「Natyam− 踊り」を加え、

「Bharatanatyam」
と名づけられたといわれています。
バラタナティアムでは、感情、メロディー、リズムの3つの要素が一体となって、
神々への祈りやあらゆる事がらを表現していきます。



バラタナティアムの踊りは大きく分けて、
2つの要素から成っています。

「ヌリッタ (Nritta)」

体全体を使う表現。
踊り手が表現する、力強く優美な動きあるいはポーズのことです。

バラタナティアムでは、
中腰の姿勢から足を楽器のように打ち鳴らしてリズムを刻みます。
そして 目、首、手をはじめとする体全体を、
直線や円形を描く動きを以って様々な動きやポーズをとっていきます。
そこには無駄な動きや無理な姿勢はなく、
自然の普遍的な美しさを表わしているともいえます。



「ヌリッティヤ (Nritya)」

「アビナヤ (Abhinaya)」とも言われる感情表現。

手指を組み合わせて作る形(ムドラーといいます)をはじめとするあらゆる動きには意味があります。

神を称え、生き生きとした神の姿や物語を、
身振り手振り、顔の表情で語ります。
舞台で物語を踊る時には、一人で何役もこなし、
その違いを顔の表情で表わしたりします。



私たちが習っているクラスでは、基本といえるステップから始まり、

徐々に手振りを付けて一連の動きに繋げていきます。

それらの動きを使って一つの演目が踊れるようになります。