インド古典舞踊サークル

インド・ニューデリーとグルガオンで活動している、バラタナティヤムとカタックのサークルです。

Global Heritage Series III


3月1日(土)にGanesa Natyalayaで
"Global Heritage Series III"が行われました。
毎回さまざまなステージパフォーマンスが
紹介されるのですが、
今回は香さんが和太鼓のメンバーとして
参加されました。
さらにダクシャナ先生がクレオパトラを演じるなど
気になる演目がたくさんです。








開演のかなり前から観客が続々やってきて、
立ち見の方が出るほどの盛況振りでした。
いつものようにラマ先生の司会で幕が開きます。
プログラムには書かれていなかったのですが、
みよさんが舞台の成功を祈り、
すべての神々をたたえるマントラを
披露してくださいました。






いよいよ「デリー和太鼓」による
パフォーマンスが始まりました。
会場に響き渡る太鼓の音が、次第に熱を帯びてきます。
力強く規則正しい拍子は胸を高鳴らせ、
それでいてなんとも心地いいのです。



次のVilasini Natyamは、
インド南部のAndhraPradesh州(およびテルグー語圏)
発祥のダンスで、寺院や宮殿で踊られたものです。
この歴史ある踊りが"Vilasini Natyam"という名で
統一されて一般に紹介されるようになったのは
ごく最近のことだそうです。
今回踊った方は有望な若手ダンサーで、
みずみずしくも揺るぎない動きで
見る者を惹きつけます。






Ganesa Natyalayaから男性のダンサーが
バラタナティヤムを踊ります。
女性によるバラタナティヤムを見ることが多い中、
バレエダンサーにいそうな中性的な顔立ちの彼のしなやかな踊りは
また違った雰囲気があり新鮮でした。





そして同じクラスで練習をしている「カイヨウ」が魅せるタンゴです。
練習着姿の彼からは想像がつかなかったのですが、
そういえばサルサの講師もしているのだったなと思えば
納得の素敵なダンスでした。





最後を飾るのはダクシャナ先生によるダンス。
絶世の美女クレオパトラの持つ
国を治める女王の顔、魅惑的な女性の顔、
そして死を覚悟した女性の顔を表現していきます。




薄いベールの向こうに見える姿、
そこからわずかに顔をのぞかせるのは、
女王クレオパトラ。








ベールから姿を現した後に
彼女が治めるエジプトに
豊かさを与えるナイル川の美しさや
女王自身の優美さを踊りに込めつつ身支度をします。
人々の前に現れた女王の威厳に満ちた表情と所作で
圧倒的なオーラを放っていました。







舞台変わって、
くるまれた布地から現れるクレオパトラ。
相手を誘惑する危険な魅力にあふれています。
艶っぽい仕種と表情の裏には
冷静な意思が隠れているようにも思えます。












そして争いに敗れ敵に屈するかの選択を迫られ、
誇り高い女王は死を選びます。
毒蛇を目の前にしての決死の表情。
そんな状況下でも優美な姿が見え隠れしています。





舞台が終わった後に見せたダクシャナ先生の
あの壮絶な人生を送った女王を演じ切って
ほっとした表情がとてもかわいらしかったです。


今回のGlobal Heritage Seriesはバラエティーが豊富で、
とても贅沢な気分になりました。
小さな舞台なので
ダンサーたちの息遣いまで聞こえてきそうな
そんな臨場感が魅力だと思います。